FMさせぼで “演奏会” 「吹奏楽部3年生の花道」 東翔高・中村教諭 発表の場 中止相次ぎ企画

県内の吹奏楽部の楽曲をリスナーに届ける中村教諭=佐世保市本島町

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、長崎県内の中学、高校の吹奏楽部の発表の場が相次いで中止になったのを受け、県立佐世保東翔高吹奏楽部顧問の中村明夫教諭(47)が、自身がパーソナリティーを務める佐世保市のコミュニティーFM「FMさせぼ」の番組で、各校の吹奏楽部が演奏した楽曲の録音を流している。
 中村教諭によると、吹奏楽部の生徒たちは全日本吹奏楽コンクールなどを目標に練習に励んでいるが、新型コロナで相次いで中止に。発表する機会がないまま引退時期を迎える3年生もいるという。
 「吹奏楽部の3年生たちのために『花道』をつくろう」。中村教諭は、自身が2008年6月から担当しているFMさせぼのラジオ番組「吹奏楽部応援!ぶらバン!」(第2、第4月曜午後9時~10時)で、各校の吹奏楽部から寄せてもらった楽曲の録音を放送することを思い付いた。22日に同市内の中学校にファクスで呼びかけたところ、すぐに3校から反応があった。
 25日夜、同市本島町のFMさせぼのスタジオ。応募があった市立清水中吹奏楽部の演奏が番組で発信された。「今年のコンクールが無くなって悔しかった」。番組にはリスナーからこんなメッセージも届いた。中村教諭は「この番組を利用し、一つの区切りにしてもらえたらうれしい。吹奏楽部に入ってよかったと思ってもらいたい」と話した。

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