長崎駅前に動く歩道付き「高架デッキ」構想 県が駅利用者に意見収集へ

大黒町側にバスターミナルを整備し、デッキで長崎駅側と接続する案

 長崎市のJR長崎駅周辺再開発で、駅側と国道を挟んだ大黒町のバスターミナル側の間に、動く歩道を備えた高架デッキを新設する構想を巡り、県は28日、6月に駅利用者の意見を数百人分収集する考えを示した。県や市、交通事業者、国などでつくり、7月に開催予定の「長崎市中心部の交通結節等検討会議」の会合を経て正式な計画とすることを目指している。事業主体は未定。事業完成まで10年程度かかる見込み。
 3月に完成した新たな長崎駅舎は、旧駅舎から150メートル西側に移転した。駅からバス停や電停までの距離に加え、大黒町の商店街までの距離も遠くなった。
 構想では、国道(幅約40メートル)上に高架デッキを渡し、動く歩道で移動を支援する。エスカレーターやエレベーターも設置。バス停については、大黒町側は現地建て替え予定の県営バスターミナル近く、駅側もデッキ近くに設ける。現在の高架広場は撤去する。
 再開発に伴う課題解決策は複数検討されてきたが、県などは今回の構想を有力視している。駅利用者への意見収集時は別の案についても意見を聞く。県都市政策課の植村公彦課長が28日の長崎市議会長崎駅周辺整備・交通結節対策特別委員会に出席し構想を説明。「県都長崎市の発展に寄与する取り組みを進めたい」と語った。

 


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