歴史民俗資料館「くちのつポートミュージアム」 26日オープン 口之津港ターミナルビルに移設

明治時代の口之津港と町並みのジオラマを見る松本政博市長(中央)ら=南島原市口之津歴史民俗資料館

 長崎県南島原市が口之津町の市口之津港ターミナルビル2階に移設した市口之津歴史民俗資料館が26日、オープンする。愛称は公募で「くちのつポートミュージアム」に決まった。1550年ごろからの中世(南蛮船来航時代)の口之津の歴史を新たにテーマの一つに据えるなど、旧資料館に比べて展示内容も拡充した。
 当初は3月20日のビル開業と同時にオープンする予定だったが、新型コロナウイルス流行を受け、延期していた。愛称を2月に公募し、全国278人計336点の中から、南島原市の森永茂夫さん(61)と大阪府の佐藤保子さん(68)=年齢はいずれも応募当時=のアイデアを採用した。
 新しい資料館は延べ約530平方メートル。南蛮船来航時代の口之津をテーマにした展示室(約190平方メートル)のほか、石炭輸出の中継港として繁栄し、後に船員の町として栄えた明治期以降の近現代をテーマにした展示室(約170平方メートル)で構成する。旧資料館(旧長崎税関口之津支署庁舎)から展示物の一部を移したほか、壁面グラフィックやジオラマ、ガイダンス映像などを新たに使って歴史を分かりやすく紹介している。
 各展示室は旧資料館を望む渡り廊下でつながっている。旧資料館は市口之津歴史民俗資料館・分館として活用する。
 オープンを前に25日、報道関係者向け内覧会があり、松本昇館長(71)は「口之津の歴史文化の情報集積・発信の中核となる施設。分館と併せてご覧いただくと、より理解が深まる」とPRした。
 開館時間は午前9時~午後5時。休館日は月曜日と年末年始。問い合わせは同資料館(電0957.73.6773)。


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