クルーズ船集団感染 自衛隊災害派遣、延長求めぬ方針 長崎県

 長崎市の三菱重工業長崎造船所香焼工場に停泊しているクルーズ船コスタ・アトランチカ(イタリア船籍、8万6千トン)で新型コロナウイルスの集団感染が発生した問題で、長崎県は8日、医療支援のため14日までの予定で現地入りしている陸上自衛隊に対し、災害派遣の延長を求めない方針を明らかにした。
 中村法道知事が4月29日に3度目の派遣要請をし、現在はCT診断車1台と医師ら4人が船外で活動している。県によると、陽性が確認された乗組員149人のうち5人が市内の指定医療機関に入院しているが、回復傾向にある。乗組員の14日間の健康観察もほぼ終わり、陰性者の帰国も進んでいることなどから「一定のめどがたった」(中田勝己福祉保健部長)と判断した。
 8日の会見で、中田部長は現地の医療体制について、今後順次縮小していく考えを示し、「自衛隊の皆さまには急性期を支えていただき大変ありがたい」と感謝を述べた。8日からは、国境なき医師団の医師ら4人が30日までの予定で医療支援に加わった。
 また、8日に陰性の乗組員5人が新たに下船し帰国の途に就いたという。国籍は明らかにしていない。これで帰国者は計222人になった。

 


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