クルーズ船 感染48人に 長崎、搬送の男性 重症化

コスタ・アトランチカ

 長崎は23日、長崎市香焼町の三菱重工業長崎造船所香焼工場に停泊しているクルーズ船コスタ・アトランチカ(イタリア船籍・8万6千トン)の船内で、新たに14人の感染が確認されたと発表した。これまでに陽性と判明した34人と合わせ、船内の感染者は計48人になった。

 また22日に同市内の指定医療機関に搬送された40代の男性乗組員は重症化し、人工呼吸器を装着したという。
 県によると、14人のうち7人は調理担当、残り7人が配膳担当。22日から災害派遣医療チーム(DMAT)と長崎大の医師が船外で、船内運営に従事する乗組員「エッセンシャルクルー」130人のうち66人の検体を採取。同大熱帯医学研究所で迅速検査装置を使い感染の有無を調べていた。
 県は24日までに残りの乗組員約500人の検体を取り終えて検査を急ぐとしている。23日からは中村法道知事が災害派遣要請した陸上自衛隊の医官ら約10人も加わり検体を採取した。
 コスタ・アトランチカと、香焼工場内の他の客船2隻の間で乗組員が移動した可能性が指摘されている。県は「現在はアトランチカの乗組員への対応に集中しているが、2隻の乗組員の健康状態も並行して検討する必要がある。現時点で発熱などの情報はない」としている。
 コスタ・アトランチカを所有するコスタクルーズ(イタリア)の日本支社はホームページで「国、県、長崎市など関係機関と緊密に連携し、感染拡大の抑止に努める」とのコメントを発表した。

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