長崎平和推進協、長崎被災協 被爆体験講話を中止 7月末まで

 新型コロナウイルスの流行を受け、長崎平和推進協会は6日、修学旅行生や団体などに語り部の被爆者を派遣する被爆体験講話を7月末まで全て中止すると発表した。長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)も会員による被爆体験講話について、7月末までの中止を決めている。
 今年は被爆75年の節目に当たり、平和推進協の高比良則安事務局長は「使命である被爆の実相を伝えられず、つらい。苦渋の選択だ」としている。長崎被災協の柿田富美枝事務局長は「被爆者は話すことが生きがいなので残念」と語った。
 語り部44人が所属する平和推進協によると、2月下旬から6月までの講話について、中止や延期の連絡が140件(参加者1万5500人)以上相次ぎ、7月末までに予定していた他の約130件も取りやめる。被爆の実相を伝える「平和案内人」についても、長崎原爆資料館や碑巡りのガイドは5月末まで中止する。
 15人の語り部がいる長崎被災協は、5、6月を中心に修学旅行生向け講話を約100件予定したが、中止・延期が続いていた。
 一方、長崎原爆資料館の3月の入館者数は約1万3千人で昨年同期から7割減少した。

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