目標は日本ジュニアV 九州ゴルフ連盟強化選手の兄妹 櫻井豪と心那(長崎日大高2、1年)

兄妹で九州ゴルフ連盟の強化選手になった櫻井豪(左)と心那=長崎市、パサージュ琴海アイランドGC

 昨年12月、宮崎市で行われた九州ゴルフ連盟(GUK)のジュニア強化合宿。強化選手に指定された中学、高校生の男女各6人が参加して、体力養成、実戦練習のほか、コース攻略法などを学んだ。長崎県からは長崎日大高の櫻井豪(2年)、心那(1年)兄妹が2年連続でメンバー入り。そろって新シーズンへ向けて一回り成長して戻ってきた。

 豪は山里小1年でゴルフを始めた。石川遼プロの華々しい活躍に憧れたのが動機で、ほどなく心那も続いた。2人とも練習場に熱心に通い、週に2、3回はラウンドするなど努力を重ねた結果、県を代表するジュニア選手に成長した。
 だが、豪は山里中進学後、周囲の期待に応えられないプレッシャーからかスランプに陥った。「県予選で落ち続け、九州大会にも進めない苦しい日々が続いた」。それでも、クラブを離さずに練習を続け、徐々に自信を取り戻す。3年時に愛媛国体に出場すると、3年連続で県代表になった。
 心那はタイトルに届かないまでも、九州大会で常に上位に顔を出してきた。兄同様、山里中3年で福井国体の県代表入りすると、昨年の茨城国体もメンバー入りした。
 豪はこのオフ、特に体力面を鍛える練習に取り組み、ドライバーの飛距離と正確性が増した。以前はフェアウエーを外して、スコアを崩すことも多かったが「今はドライバーが楽しく、曲がる感じがしない」。距離も280~290ヤードまで伸びた。課題はグリーン周りからの寄せの精度で「寄せてワンパットが当たり前にならないと上位には行けない」とさらなる高みを見据えている。
 心那のドライバーの飛距離は250ヤード。女子としては十分なだけに、これからはグリーンを狙うショットの精度を上げていきたい。グリーンの状態に対応したパッティングも課題になる。今月、女子プロのステップアップツアーに参加するアマチュアの予選会で合格者2人のうちの1人に入った。4月末に武雄GC(佐賀)で行われる予定の大会で、冬場の積み重ねの成果を発揮したい。
 豪が今季の目標に掲げるのは、8月の日本ジュニア優勝。心那は九州女子アマと日本ジュニアのタイトルだ。長崎日大高チームとしてもこの春、全国選抜大会出場を目指していたが、予選の九州選手権春季大会が新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止になった。今は8月の全国高校選手権(緑の甲子園)へ向けて、自主練習を続ける日々だ。
 緒方広道監督は「2人とも学業面も優れ、それがゴルフにも出ている。宮崎の強化合宿で得た成果もチームへ持ち帰り、全員を成長させてくれようとしている。春の中止は残念だが、チームのモチベーションは高い」と夏の活躍を楽しみにしている。

© 株式会社長崎新聞社