人を信じ愛すること大切 平戸の永田さん絵本出版

絵本「平戸発の童話 根獅子・飯良編」を自費出版した永田さん(中央)と挿絵を描いた児童=平戸市立根獅子小

 長崎県平戸市深川町で農家民宿を営む永田米吉さん(68)は、地元の逸話を題材にしたオリジナルの童話絵本「平戸発の童話 根獅子・飯良編」(A4判、カラー30ページ)を自費出版した。挿絵は、永田さんが読み聞かせをしている市立根獅子小(喜多浩校長、31人)の児童が手掛けた。永田さんは「子どもたちが地域に残る歴史に関心を持つきっかけになれば」と話す。
 同校との合作は2017年から始め4冊目。今回は二つの物語を掲載した。根獅子編の「星になった麦」は、戦争中に出会った男女の物語を通じ隣国と仲良くすることや、人を信じ愛し続けることの大切さを訴えた。飯良編の「水遊び地蔵」は、子どもたちが自由に遊ぶ中で成長し、清らかな心を育んでいくことを伝えている。
 挿絵は、6年生8人の卒業記念として、同校の3~5年生も一緒になって描いた。子どもたちが図工の時間に色鉛筆を使い、柔らかいタッチで仕上げた。6年の川上玲奈さん(12)は「場面を想像しながら心を込めてかけた。卒業のいい記念。みんなに見てほしい」と笑顔で話した。絵本は市内の全小学校に寄贈する予定。

「平戸発の童話 根獅子・飯良編」の表紙と子どもたちが描いた挿絵

© 株式会社長崎新聞社