JR九州 取り扱い収入半減 「経験したことのない減収」 新型コロナでホテルや駅ビル事業にも影響

 JR九州は25日、3月の切符や定期券などの売上高に当たる取り扱い収入(23日現在の速報値)が、前年同期比で49.7%減の約71億円になったと発表した。新型コロナウイルスの影響で外出を控える動きが広がったことなどが要因とし、同日会見した青柳俊彦社長は「経験したことのない減収」と危機感を示した。
 ホテルや駅ビルなどの事業にも影響が及んでいるとし、グループ会社が運営するホテル「ホテルオークラJRハウステンボス」(佐世保市)の3月1~18日の稼働率は前年同期と比べ約7割減少したと明らかにした。感染拡大防止のためハウステンボスがほぼ同時期に臨時休園した影響が大きいとしている。長崎駅の新駅ビルなど今後の設備投資や開発計画については「現時点ですぐに変更することは考えていない」と述べ、今は新年度の経営についてさまざまなシミュレーションをしているとした。
 一方、九州新幹線長崎ルートで未着工の新鳥栖-武雄温泉の整備方式を巡り、国土交通省と佐賀県の協議入りに時間を要していることについて「しっかり前提条件を整理していただいた上で、テーブルについて議論できればいい。少しでも早くそういう環境が整うことを待っている」と述べた。

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