在学中では島原工業初 ペンチ特許取得 商品化へ準備進む

特許証を手にする西田さん(左)と優秀賞を獲得した浜本さん=島原工業高

 文部科学省や特許庁などが主催した2018年度パテントコンテストで、2年時に優秀賞を受賞し、特許出願の支援対象者に選ばれていた県立島原工業高電気電子科3年、西田弘輝さん(18)が、自身の考案した電気工事用器具「リングスリーブ固定式補助具付き圧着ペンチ」で特許を取得した。登録は1月10日付。同校によると、在学中の取得は同校初、県内でも近年は例がないという。

 西田さんが考案したペンチは長さ約27.5センチ。樹脂製の補助具を付ける工夫を施したことで、電線と電線を束ねる筒状の金属製接続部材「リングスリーブ」を圧着する時に破損を防ぐことができるほか、使用電線の本数や太さをリングスリーブに鮮明に刻印することが可能という。ベテラン、初心者を問わず、素早く正確に作業できる点などが評価された。
 工業系の高校生が技術や技能を競う「県高校生ものづくりコンテスト」に出場した際、一般的なペンチの使い勝手に不便さを感じたことが、今回の開発のきっかけ。誰でも簡単に緻密な作業ができる道具を作ろうと、アイデアを練り、完成させた。試作品も出来上がり、商品化に向けた準備が進んでいる。
 卒業式を終え、今春、福岡県内の電気設備関連会社に就職する西田さんは「在学中に特許を取ることができ、自分の考えが形になってうれしい。社会で役立ててもらいたい」と話した。
浜本さんも受賞
 一方、19年度デザインパテントコンテストでは、同科3年の浜本倖汰さん(18)が、子供服からふとんまで大小さまざまな洗濯物を干すことができる「洗濯バサミ付きハンガー」で優秀賞を受賞。同校も学校賞に当たる文部科学省科学技術・学術政策局長賞に輝いた。

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