臨時休校始まる 対馬市、タブレットで課題 受験勉強で登校も

タブレット端末を使った自宅学習について意見を交わす教員=対馬市立厳原中

 新型コロナウイルス感染防止策として安倍晋三首相の要請を受け、長崎県内の一部の小中高校や特別支援学校で2日、臨時休校が始まった。対馬市の中学校では生徒に貸与しているタブレット端末で課題に取り組ませたところもあり、休校期間の過ごし方を工夫する対策が各地で取られた。放課後児童クラブ(学童保育)は午前中から開所し、児童を受け入れた。

 長崎県教委や各市町教委などによると、2日から休校としたのは対馬市、諫早市(午後から)、西彼長与町の全公立小中学校、国立の学校のほか、県立高校、特別支援学校、私立小中高校のそれぞれ一部。
 対馬市は32小中学校が休校。市立厳原中では生徒が毎朝8時にタブレット端末で体温など健康状態を学校に報告。2日は端末で解いた課題を提出し、教員が早速添削していた。教員たちは端末活用の会議も開き、「学校で撮影した授業の動画を配信できないか」などと意見を交わしていた。
 西彼長与町も8小中学校が休校。町教委によると、中学校3校のうち2校が公立高校を受験予定の3年生を対象に午前中に勉強会を実施。2校とも大半の受験生が参加したという。保護者の一人は「午前中だけでも学校で勉強をさせてもらってありがたい」と話した。諫早市の42小中学校は午後から休校となった。
 大村市は全21小中学校が3日から休校。市立大村小では教員が「不要な外出は控え人混みには近づかない」などと注意を促し、児童は荷物の整理に追われた。
 一方、各地の学童保育は朝から開所。長与町のある学童保育では、職員が児童に体温を測らせていた。学童を運営する保護者会会長の女性(46)は「職員の勤務時間が通常より増え、その分の給与費が追加で必要となるが、保護者からは徴収せず国の補助を期待したい」と話す。対馬市厳原町のある学童保育の児童支援員(47)は「学校と同じような集団生活なので感染者が出ないか心配だ」と懸念した。

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