臨時休校 預け先「どうすれば」 ひとり親、共働き家庭 危惧

子どもたちの「受け皿」になる放課後児童クラブ。開所時間の繰り上げや、スタッフの人繰りなどの対応に追われている=佐世保市内

 ひとり親や共働きの家庭からは、子どもの預け先の確保などを巡り、不安や戸惑いの声が上がった。
 シングルマザーとして小学5年の息子を育てる長崎市の40代女性は「休校の判断は仕方ないけれど、正直、学校の方が安心。子どもが1人でいる時に火事でも起きたら大変」と危惧。「学童が開いていれば助かるけど、今後もし学童まで閉まってしまったら本当に困る。勤務先の理解をどこまで得られるかも分からない」と表情を曇らせた。
 「夫の両親が近くに住んでいるので子どもたちの食事の心配はない」と話すのは新上五島町の30代会社員女性。ただ、小学1年の娘は家庭学習をすることになり、「できるかぎり見てあげるつもりだけど、どの程度フォローできるか」と心配する。
 午前9時~午後4時のパートタイム勤務で働く東彼川棚町の40代女性は、普段は小学生の娘2人が帰宅する時間に必ず家にいるようにしている。休校に伴い、2人だけで家にいる時間が増えるが「最近はSNSなどで犯罪に巻き込まれるケースもあるので、昼休みの時間に職場から様子を見に来ようと思う」。
 小学校の卒業式後に児童も参加する謝恩会の幹事を務める壱岐市の40代男性は「保護者の間では、対策を万全にして開いてあげられないかと話し合っている。何でもかんでもなくしたら子どもたちがかわいそう」と複雑な心境を口にした。
 佐世保市の30代女性は、障害があり特別支援学級に通う、小学5年の息子の療育への影響を心配。「次の学年での支援や教育の方向性を決める大事な時期。休校は仕方ないが、学校でやりとりができないことは不安」と漏らした。
 一方、五島市で多目的スペース兼宿泊施設を営む芳澤瞳さん(41)は27日夜、休校期間中に仕事の都合などで子どもの面倒を見られない保護者に向け、自宅で子どもを預かることができるとフェイスブックに投稿した。自身も小学1年の長男を育てるシングルマザーで、「相談できずに困っている人もいると思う。こんな時にこそ、学校や行政に頼るだけでなく、個人のネットワークで助け合えれば」としている。

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