3月3日は「耳の日」 手話紹介のイラスト展 雲仙市

手話を紹介するイラストを描いた笹田さん=雲仙市、愛の夢未来センター

 3月3日の「耳の日」を前に、長崎県雲仙市愛野町の愛の夢未来センターで、手話を紹介するイラスト展が開かれている。描いたのは聴覚障害者の笹田奈緒美さん(42)=同市吾妻町=。手話通訳を交えて取材に応え、「絵を通じて手話を知ってほしい」と話した。

 笹田さんは南島原市南有馬町出身。生まれた時からほとんど耳が聞こえず、補聴器を使用している。結婚を機に2年前から雲仙市に暮らし、昨年から同市の聴覚障害者らでつくる「手話サークルうんぜん」に参加している。
 幼いころから絵を描くのが好きで、高校卒業後はデザインの専門学校にも通った。その画力を買われ、市の広報紙「広報うんぜん」で連載している手話コーナーのイラスト担当に抜てきされた。
 「こんにちは」「ありがとう」「お疲れさま」。日常使える手話を、温かみのあるタッチで毎月一つ紹介する。手の動きを分かりやすく表現することを心掛け、アクリルペンで色付けしている。1枚描くのに4、5時間はかかるという。
 広報紙に掲載したイラストのほか、市が4月に発行する手話啓発パンフレットの挿絵や未掲載のものなど40点を展示している。「絵を通じて、多くの人に手話を知ってもらいたい」と笹田さん。自身も手話は勉強中で「いろんな人と話せるのは楽しい」と笑った。
 展示は3月8日まで。同センターの図書室では手話に関する本の紹介もある。

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