日米親善人形題材 対馬・西小で講話 光雲寺住職の菅野さん 「平和のため できることをしよう」

青い目の人形の歴史について講話をする菅野さん(左)=対馬市立西小

 長崎県対馬市峰町の市立西小(島本頼次(よりつぎ)校長、57人)で19日、平和教育講話があり、同町の光雲寺住職で「長崎親善人形の会」顧問の菅野慶全(きょうぜん)さん(77)が、同校に贈られた日米親善人形「ナオミ」にまつわる歴史を紹介し、平和を守るためにできることをしようと呼び掛けた。

 「青い目の人形」は太平洋戦争前の1927(昭和2)年、宣教師として日本に滞在経験のある米国人シドニー・ルイス・ギューリック博士が、米国内の子どもらから寄付を募って約1万2700体を日本に贈った。対馬には同校の前身、三根尋常小などに14体が届いたが、太平洋戦争中に捨てられるなどしていた。
 戦後58年たった2003年、博士の孫で「新・青い目の人形」を日本各地に贈っているギューリック3世夫妻が、「ナオミ」を西小に寄贈した。
 菅野さんは講演で、戦前の米国で日本人排斥運動が起きた中でも、ギューリック博士が子ども同士の交流を通じて平和を守ろうとしたことや、ギューリック3世が06年に同校を訪れた際、「相互理解が大切」とスピーチで述べたことを紹介。「この人形をどう生かしていくかが、皆さんの仕事です」と呼び掛けた。
 4年の須川彩さん(9)は「人形が、けんかや戦争を止める大切な役割をしていると分かった。平和行事などで発表したい」と話した。

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