島の課題解決へ「五島ハッカソン」 合宿でITサービス開発

2泊3日で開発した新たなサービスについて発表する参加者=五島市富江町、さんさん富江キャンプ村

 五島市民と都市部のエンジニアやデザイナーらが協力し、島の課題解決につながる新たなITサービスなどを開発する合宿形式のイベント「五島ハッカソン」が14~16日、同市内であった。島内外から訪れた約50人が6班に分かれ、人口減や企業の後継者不足対策、観光情報アプリ開発などさまざまな企画を発表した。
 ハッカソンは、システム解析や改良を意味する「ハック」と「マラソン」を組み合わせた造語。多様な技術や発想を持つ人がチームを組み、短期間のうちに新サービスやアプリなどを開発した成果を競う。今回は五島の地域課題をテーマに解決策を考えた。
 審査で最優秀賞を受けたのは「人口減」を課題に設定した班。船や飛行機の欠航情報、イベント情報、台風などの被災状況、子育て、求人など、生活に密着した「リアルな情報」を、フェイスブックで随時発信する取り組みを考えた。島民の利便性向上に加え、移住希望者が島での生活をイメージしやすくする狙いで、実際に誰でも情報を投稿、閲覧できるよう既にページを立ち上げている。
 メンバーの市職員、高井良敬太さん(35)は「話し合う中で、五島に住んでいても知らない情報が多いと気付いた。大きなイベント情報だけではなく、小さくてもリアルな情報を発信し続けることで、住みやすさにつながれば」と話した。
 この他、市内で困り事がある人や知りたい情報がある人が、インターネット上で分野別に情報交換できるチャットサイトや、占いの運勢によって利用者に勧める観光地が変わる観光アプリを試作した班もあった。

© 株式会社長崎新聞社