遺族「苦しみ消えない」 長崎・東山手グループホーム火災7年

花束を手向け、静かに手を合わせる遺族=長崎市東山手町

 長崎市東山手町の認知症高齢者グループホーム「ベルハウス東山手」で2013年2月、入居者5人が死亡した火災から7年となった8日、遺族らが火災現場の跡地を訪れ、花束を手向けた。
 伯母の井上ハツコさん=当時(86)=を失った雲仙市吾妻町の飯田光一さん(62)は「火災の記憶が風化していく一方、遺族の中には今も心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しんでいる人もいる。7年たっても私たちの苦しみは消えていないし、一生忘れることはない」と胸中を吐露。「グループホーム経営者側は、遺族へのフォローが足りないと感じる」と語った。
 出火原因は火元の部屋に置かれていたTDK製のリコール対象加湿器。同日は同社幹部3人が現場跡地を訪れ、取材に「本件を決して風化させることなく、告知活動と回収活動を今後とも継続、強化していく」とコメントした。同社によると、リコール対象加湿器の回収率は77.3%(1月末現在)。4743台が未回収だという。
 13年2月8日午後7時20分ごろ出火した火災では2階の2部屋などを焼き、入居者5人が死亡した。

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