「核兵器のむごさ知って」 爆心地付近の被災資料56点展示 ナガサキピースミュージアムで企画展

来場者に被災資料について説明する竹下さん(左)=長崎市、ナガサキピースミュージアム

 長崎市松山町の爆心地公園で1996年にあった工事で見つかった被爆者の遺品など計56点を展示する企画展が28日、同市松が枝町のナガサキピースミュージアムで始まった。2月24日まで。
 採掘したのは長崎の被爆遺構を保存する会の共同代表を務める被爆者の竹下芙美さん(78)。当時、約1カ月半かけて手作業で土を掘りながら探し、約千点の被災資料を発見した。その中から、形が残っている物や熱線や爆風の痕跡がわかる物を選んで展示している。資料の多くは竹下さんの母校である市立銭座小で展示されているが、市民向けの公開展示は今回が初めて。
 熱で泡状に溶けた被爆瓦や、学生服のボタン、歯ブラシなどの日常品などが並んでいる。竹下さんは「突然命を奪った戦争や核兵器のむごさを知って、二度と後世に味わわせないように反核について考えてほしい」と話している。

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