長崎県内官公庁で仕事納め式

 長崎県内の官公庁で27日、仕事納め式があり、知事や各自治体の首長らが今年を振り返り、2020年への決意を述べた。
 県議会議場であった県の仕事納め式では、中村法道知事が職員約300人を前にあいさつ。三菱重工業の航空部品工場の着工をはじめ、人工知能(AI)や情報通信技術(ICT)などの研究開発拠点と金融機関の事務管理部門の誘致、工業団地造成などの成果を挙げ「県内産業の活性化や新たな雇用創出につなげたい。今後も多様な産業の誘致に全力を注ぐ」と強調した。
 離島地域については「国の交付金などを積極的に活用し人口減少に歯止めがかかりつつある」と評価。県内各地域で進むまちづくりに触れ「このような規模で変わろうとしているのは100年に1度のチャンス。積極的な構想を練り上げ施策の推進に挑戦してほしい」と職員へ呼び掛けた。

 田上富久長崎市長 不適正な事務処理が後を絶たず、仁田佐古小新校舎工事の遅れなども生じた。全職員が市政の信頼を揺るがしかねない事態であると認識しないといけない。市民のために仕事をしていることをもう一度確認し、全庁一丸で信頼を取り戻したい。

 朝長則男佐世保市長 市交通局の廃止や陸上自衛隊崎辺分屯地の開設など多くの変化があった1年だった。令和という新しい時代が始まり、各職員が抱負を持って取り組んでくれた。私も4期目を迎えた。皆さんに力添えをいただきながら駆け足で進んでいく。

 古川隆三郎島原市長 ラグビーW杯ではトンガのキャンプを受け入れた。妊娠、出産、育児をサポートするスマートフォン向け「母子健康手帳アプリ」による情報配信の開始なども実現した。職員の協力を得て各種事業を推進できたことに感謝している。

 宮本明雄諫早市長 国営諫早湾干拓事業の開門調査問題で、最高裁が2件の訴訟で「開門する必要はない」と判断し大きく進展した。(国が開門確定判決の執行力排除を求める)請求異議訴訟は福岡高裁に差し戻されたが、歴史的な節目を乗り越えたと考える。

 園田裕史大村市長 他自治体が人口減対策に悩んでいる中、人口増が続く状況下でまちづくりを進められることはありがたい。市庁舎建設や新幹線開業など大型事業がめじろ押しの中で行政運営に苦慮しているとは思うが、チームで考え、物事を進めてほしい。

 黒田成彦平戸市長 「フェリー大島」の新船建造、新安満大橋と春日トンネルという主要アクセスの整備が実現したのは大きな喜びだ。新年は平戸城の宿泊施設化も予定される。市の持続発展のため、市外に住む人との交流を拡大し関係人口を増やしていく。

 友田吉泰松浦市長 「アジフライの聖地」宣言の成功は担当部署だけでなく、関わった全ての人の協力によるものだ。集中豪雨の際も各部署が連携して災害対応に当たってもらった。正月休みで心身ともリフレッシュして新年からの業務に臨んでもらいたい。

 比田勝尚喜対馬市長 これまで右肩上がりに伸びていた韓国人観光客が日韓関係の悪化に伴って激減し、観光面で大きな影響を受けた1年だった。国際問題に左右されない足腰の強い観光産業を構築するため、特に国内誘客に向けて力を注いでいきたい。

 白川博一壱岐市長 「SDGs(持続可能な開発目標)未来都市」として、スマート農業、自動運転による人や物の移動、再生可能エネルギーの開発によって「脱炭素」を目指す。私たちの一歩が世界をリードするという心構えをお願いしたい。

 野口市太郎五島市長 社会減が止まり、増加に転じた画期的な1年。人口減対策に関係のない部署や仕事はなく、力を合わせるようお願いしてきたが、その成果が表れた。来年は地域間競争がますます厳しくなるので、気を引き締めなければならない。

 杉澤泰彦西海市長 懸案だったコミュニティーバス運行、遠距離通学児童への支援拡充など一つ一つの成果が皆さんのおかげだ。人工知能や情報技術など「新たな産業革命」に乗り遅れないようにアンテナを張り、議論を活発化して施策に挑戦してほしい。

 金澤秀三郎雲仙市長 子育て応援パッケージ、農漁業振興、観光戦略の策定開始など、幅広く施策を展開した1年だった。一方、公用車の事故が増加傾向にある。運転に限らず、市職員としての強い自覚と倫理観を持って、希望と笑顔に満ちた新年を迎えてほしい。

 松本政博南島原市長 「定住移住班」を新設するなど組織改編し、人口減少に伴う過疎・高齢化対策に力を入れたが、厳しい状況は続く。市を少しでも明るい方向へ導くために、積極的に企画・提案し、困難な事柄にも「やってみる」と言う姿勢で臨んでほしい。

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