無人化のホテル開業 IoT活用しチェックイン 長崎

最大6人が宿泊できる部屋=長崎市西坂町

 不動産関連業の「ゼキア」(長崎市)は、同市西坂町に無人フロント型のホテルを開業した。常駐するスタッフはおらず、IoT(モノのインターネット)を活用してチェックインする。訪日客や家族連れの利用を想定している。

 ホテル名は「グランドベース長崎駅前」。JR長崎駅の徒歩圏内で西坂公園の近くにある。鉄骨2階建てで、広さ26~38平方メートルの3部屋を用意。最も広い部屋には最大6人が宿泊できる。「自宅にいるようにくつろげる空間」をコンセプトに、ベッドやソファ、キッチンを完備。長期滞在も可能なように、共用のランドリールームもある。

 宿泊業を巡っては人手不足が深刻で、省人化が進む。改正旅館業法は、本人確認や緊急時にスタッフがすぐに駆けつけられる体制整備などを条件に、フロントを設けない運営を認めている。

 グランドベース長崎駅前は、旅館業営業許可を取得し、完全無人化で営業。ホテル入り口にあるタブレット端末がフロント代わりとなり、予約時に宿泊者に伝えるパスワードと宿泊者の名前と住所、電話番号などを入力する。その後、宿泊部屋を解錠するための暗証番号が表示される仕組みだ。

 西日本で宿泊施設を企画する「リクリエ」が管理、運営を担い、各部屋に配備するタブレット端末で常時、連絡を取ることができる。警備会社と管理会社とも連携し、緊急時には10分以内に駆けつける体制を整えた。

 ゼキアの後田竜二社長(50)は「ゆっくり滞在して長崎観光を楽しんでほしい」と話し、年間85%以上の稼働率を目標に掲げる。

 宿泊料はオープン特価で2人1室7200円から。

タブレット端末でチェックインし、入室する流れを説明する後田社長=長崎市西坂町

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