改憲への動きに懸念 ナガサキ不戦の集い 平和大使ら 教皇メッセージ励みに

「核廃絶人類不戦の碑」の前で、不戦の誓いを読み上げる高校生=長崎市

 太平洋戦争開戦から78年となった8日、長崎県長崎市平野町の「核廃絶人類不戦の碑」前で「ナガサキ不戦の集い」があり、参加者は反戦反核の決意を新たにした。

 被爆証言の記録に取り組む「長崎の証言の会」などが毎年8月15日と12月8日に開いており75回目。被爆者や高校生ら約40人が参加した。同会運営委員で長崎総合科学大の大矢正人名誉教授は、憲法改正への動きに懸念を示し「もし憲法に自衛隊を明記するようになれば、軍事大国への道がより一層進むことになる。このような危険性を学習し、対話する取り組みを巻き起こす必要がある」とあいさつ。参加者は原爆や戦争の犠牲者に黙とうし、碑に献花した。

 今年の高校生平和大使で鎮西学院高2年の内山洸士郎さん(16)は、ローマ教皇フランシスコの長崎訪問に触れ「ローマ教皇の『一人一人に責務がある』というメッセージが心に残っている。これからも微力ではあるが無力ではないと信じ、コツコツと活動を続けていきたい」と語った。活水高1年で平和学習部の高橋燈由(ひより)さん(16)、小畑なつさん(15)、桝田優花さん(16)の3人は不戦の誓いを読み上げ、「世界で核被害の実相を知っている人はまだ多くない。世界中の人々に核兵器の恐ろしさを伝え続ける必要がある」などと訴えた。

© 株式会社長崎新聞社