五島列島の伝統食、かんころ餅の振興を図るフェスが1日、新上五島町青方郷の町石油備蓄記念会館であった。原料となる干し芋(かんころ)などの展示や製造体験があり、家族連れでにぎわった。
過疎化や高齢化で、原料となるサツマイモの生産量が減る中、県や町、生産者などでつくる実行委が食文化の継承につなげようと初めて企画。干し芋を使った県外の伝統食品や、地元高校生が考案したアイスなどをパネルで紹介した。町内産の干し芋も品種ごとに展示。製法を体験するコーナーでは、子どもたちがきねと石臼を使って原料をついた。
自家製や業者に委託製造した、かんころ餅の出来栄えを競うコンテストも開催。町内外から6人が出品し、甘さを控えたり黒砂糖を使ったりしたオリジナルのかんころ餅を来場者が試食した。
次女と訪れた同郷の小学校教諭、大坪美智子さん(48)は「上五島と自分の出身地の諫早で、かんころ餅の風味に違いがあるのが面白い。お土産にしたり家庭で食べたりして伝統をつなぐのが大切だと思う」と話した。
コンテストの入賞者は次の通り。(敬称略)
▽最優秀賞 尾上順子▽優秀賞 若松経子▽審査員特別賞 永田友二郎
かんころ餅 次代につなぐ 新上五島でフェス
- Published
- 2019/12/04 00:01 (JST)
- Updated
- 2019/12/04 14:37 (JST)
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