ローマ教皇と対面 焼き場に立つ少年 撮影者の息子「父も喜んでいる」

「焼き場に立つ少年」の写真パネル前で、撮影者である父との思い出を語るタイグ・オダネルさん=24日午前11時17分、長崎市の爆心地公園

 爆心地公園では、核廃絶を訴えた教皇フランシスコの傍らに「焼き場に立つ少年」の写真パネルが置かれた。撮影者の元米従軍カメラマン、故ジョー・オダネルさんの息子タイグさん(50)は米国から駆けつけ、同公園で教皇と対面。「父は教皇の平和メッセージを非常に喜んでいると思う」と、原爆の非人道性を告発する写真を残した父に思いをはせた。
 タイグさんによると、「父の写真を使っていただき誠にありがとうございます」と教皇に伝えた。教皇は「使わせていただきありがとう」と語り、タイグさんに記念のメダルを手渡した。
 教皇は写真に「戦争がもたらすもの」との言葉を付けて広めるように指示した。タイグさんは「教皇の影響力で以前にも増して平和のメッセージが広がっている」と感謝した。
 タイグさんは写真を見た時、被写体の少年が背負っている幼子について「寝ている」と感じたが、ジョーさんは「亡くなっている」と説明したという。
 「もし少年が生きていれば『原爆を落としてごめんなさい』と言葉を掛けると思う」というタイグさん。「核兵器のない世界が現実になるように祈る」と父の願いをかみしめた。

 


関連記事

© 株式会社長崎新聞社