燃え上がる民家から女性救出 諫早消防署が感謝状

城下署長(左)から感謝状を贈られる深見さん=諫早消防署

 燃え上がる民家から逃げ遅れた女性を救出したとして、諫早消防署は20日、長崎県諫早市森山町の会社員、深見隼人さん(29)に感謝状を贈った。深見さんは「消防や警察が到着する前で、『助けなければ』と思った。救助するまでの3~4分間、無我夢中だった」と振り返った。

 諫早消防署などによると、10日午後8時55分ごろ、同市宗方町の2階建て民家から出火。深見さんは近くの国道を車で走行中、激しい炎と煙に気付き、現場に駆け付けた。

 屋外に逃げていたこの家の女性(88)を安全な場所に避難させた際、孫の20代女性が家の中にいると聞いた。捜していると、民家裏手の屋根の上でスマートフォンを振り「助けて」と叫ぶ孫を発見。高さ約2メートルのブロック塀などに上り、両肩に孫の両足を乗せて屋外に下ろしたという。

 深見さんは「2人とも助かってよかった。3人の子どもたちに人助けの大切さを教えたい」と話した。

 諫早消防署管内では2015年1月以降、建物火災による死者ゼロが続く。城下和美署長は「迅速に助け出した行動力と勇気ある救助活動に敬意を表す」と礼を述べた。

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