イエズス会日本管区長・レンゾ神父 法王の教え子「憧れの地、夢かなうと思う」

法王来崎の意義を語るレンゾ神父=長崎市文教町、長崎大文教キャンパス

 ローマ法王フランシスコの長崎市訪問について、法王の教え子であるイエズス会日本管区長のデ・ルカ・レンゾ神父(56)は17日、同市内で報道陣の取材に応じ「カトリックやイエズス会にとって長崎は世界的に憧れの地。教皇(法王)にとっては夢がかなうようなことだと思う」と語った。
 法王は24日、爆心地公園で核兵器廃絶のメッセージを発信。日本二十六聖人殉教地で祈りをささげ、県営ビッグNスタジアムでミサを執り行う。レンゾ氏は通訳のため随行する。
 レンゾ氏は法王と同じアルゼンチン出身で、同国の神学校で法王の教えを受けた。日本二十六聖人の一人でイエズス会士のパウロ三木ら長崎の殉教者や、同会創設者のフランシスコ・ザビエルのことを聞きながら育ったという。「教皇は長崎で潜伏キリシタンの子孫らと会えるのを楽しみにしていると思う」と話した。法王はかつて日本での宣教を望んだが、健康上の理由で実現しなかったという。
 法王は23~26日に来日し、広島と東京も訪ねる。レンゾ氏は「日本でキリスト教はマイノリティーだが、教皇庁(バチカン)も驚くほどメディアの関心は高い」と指摘。法王は核兵器や戦争のほかに原発、死刑、自殺問題など「日本でしか言えないことを話すだろう」と予想した。
 レンゾ氏は、江戸幕府の禁教令まで日本のイエズス会本部などが置かれ、現在発掘調査中の県庁跡地に関するシンポジウムに出席するため来崎した。「教皇に跡地や発掘調査のことをできれば伝えたい」と語った。

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