佐世保市交通公園が12月28日で閉園 市民から惜しむ声

遊びながら交通ルールを学ぶ来園者。48年間にわたり、市民に親しまれた=佐世保市交通公園

 楽しく遊びながら交通ルールを学べる施設として、48年間にわたり市民に親しまれた佐世保市交通公園(祇園町)が、12月28日で閉園となる。市民からは惜しむ声が上がっている。
 1950年代半ばに自動車が急速に普及したことに伴い、交通死亡事故が増加。「交通戦争」と呼ばれ、社会問題になった。このころから、安全運転を啓発する目的で全国各地に交通公園が整備されるように。佐世保市には72年に開園した。
 実際の道路を模した約500メートルのコースを、ゴーカートに乗って走る。料金は1人110円。信号機や横断歩道はもちろん、踏切や信号機のない交差点など一時停止が必要な場所もあり、交通ルールを学ぶことができる。
 開園から10年は年間10万人以上が訪れていたが、次第に減少。近年は3万人台で推移していた。市は施設の老朽化などを理由に、数年前から今後の在り方について検討。中央公園など名切地区の再整備の一環で、閉園が決まった。
 今でも人気は根強く、休日には1日400人が来園することもある。子ども2人と訪れた皆瀬町の会社員、椎木茂さん(30)は「自分も幼いころ、祖父母と一緒にゴーカートに乗った思い出がある。交通指導員に『赤信号だよ!』と注意され、ルールを勉強できた。なくなるのは悲しい」と惜しむ。
 公園部分は撤去され、駐車場などが整備される予定。建物は9月中旬から改修工事をしており、来年1月6日に「佐世保市交通安全学習館」としてリニューアルオープン。安全運転の方法などを学べるシミュレーターが設置される。
 公園を管理する市交通安全協会連合会の川久保和昭専務理事は「惜しまれながら閉園となったが、新しく生まれ変わる。交通安全を学ぶ場として、またぜひ来てほしい」と呼び掛ける。
 通常営業は12月27日まで。28日は閉園式があり、ゴーカートが無料になる。

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