映画上映、信友監督が講演 「認知症は怖くない」 長崎で県民公開講座

「家族で抱え込まず、プロと役割分担して」とアドバイスする信友監督=長崎市、ユナイテッド・シネマ長崎

 認知症患者を抱えた家族の日々を記録したドキュメンタリー映画「ぼけますから、よろしくお願いします。」(2018年)の上映会が4日、長崎市尾上町のユナイテッド・シネマ長崎であり、上映後に講演した信友直子監督(57)は「認知症は怖くない。なっても楽しく生きていくすべがある」と強調した。
 認知症への理解を深めてもらおうと、県基幹型認知症疾患医療センター(事務局・長崎大学病院)が県民公開講座として主催。約300人が観賞した。
 映画は信友監督が、2014年に85歳で認知症と診断された自身の母親と、90歳を超えた父親の老老介護の日常を娘の目線で追った作品。「じゃまになるけん、死にたい」と苦悩する母、「わしが元気なうちは」と独りで介護する父。自然体の2人が描かれており、参加者からは時に笑い、時にすすり泣きが漏れた。
 講演で信友監督は、診断から2年後に介護サービスを利用するようになって家族の気が楽になり、笑顔も増えたと説明。一歩引いた目を持つことの重要性を指摘し、「家族だけで抱え込まず、プロと役割分担をしていくことが大事」とアドバイスした。

© 株式会社長崎新聞社