天正遣欧少年使節団「西欧に日本文化を認知」 大村で記念シンポ

ローマ法王長崎訪問を記念して開かれたシンポジウム=大村市、郡コミュニティセンター

 ローマ法王フランシスコが今月、長崎県を訪れるのを前に、大村市富の原2丁目の郡コミュニティセンターで3日、市主催の記念シンポジウムがあり、市民ら約110人が参加した。

 基調講演では、前大浦天主堂キリシタン博物館研究部長の大石一久氏が「日本とヨーロッパとの出会い」をテーマに話した。
 大石氏は、大村が「日本で最初のキリシタン王国」となった時代背景や当時の生活、天正遣欧少年使節団の西欧での歓待ぶりなどを紹介。その上で使節団について「西欧に日本を文明国として認知させ、現代日本の礎を築いた最大の功労者だった」と評価した。
 この後開かれたパネル討議では、昨年法王に面会した際、今年の訪日の意思を伝えられた天正遣欧使節顕彰会(宮崎市)の上杉宗聖氏をはじめ、園田裕史市長ら計5人が登壇した。
 法王来日の意義について園田市長は、2017年に法王に面会した際「4少年の町に来てほしい」と要請したことに触れ「今回の来崎は子どもたちに夢を与えるもの。その始まりが少年使節団という先輩たちだったことを振り返ってほしい」と強調。上杉氏は「長崎は原爆の被害を受けながらも立ち直った歴史がある。戦争などの悲劇が繰り返されないよう、私たちに『力を貸してほしい』と呼び掛ける意図もあるのでは」と話した。

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