棚田にLED7000個 春日集落ライトアップ

日没後、棚田を彩るLEDライト=平戸市春日町

 「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録1周年を記念し、構成資産の一つ、春日集落(長崎県平戸市春日町)では1日から、棚田を7千個の発光ダイオード(LED)ライトで彩るイベント「春日の祈り」(市主催)が始まる。12月27日まで。
 冬場の集落の新たな魅力を創出するイベントにして市全体の活性化につなげようと、約5500人が訪れた昨年に続き企画した。
 今回のテーマは「集落の四季」。前回は1550年にキリスト教の布教が始まり、最盛期に約5千人の信徒が平戸にいたとされることから、ピンクと緑など5千個のライトで彩った。今回は新たに海や稲穂、雪など季節の変化を連想できるよう桜、青緑、黄金、白と15分おきに色が変化するライト2千個を追加した。
 約2ヘクタールの棚田への設置作業が10月30日に実施され、市職員や地元住民のほか、陸上自衛隊相浦駐屯地(佐世保市)の水陸機動団偵察中隊の隊員30人が協力。参加者は約2時間かけ、あぜや農道沿いに約50センチ間隔で取り付けていた。
 見ごろは午後6時~8時で、日が沈むと太陽光パネルで蓄電したライトが自動で点灯し、幻想的な光が棚田を包み込む。地元のまちづくり団体「安満の里 春日講」の寺田賢一郎会長(61)は「冬の春日の魅力も多くの人に知ってほしい」としている。

LEDライトを設置する参加者

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