猫グッズ制作で連携 製品買い上げ 利用者の工賃安定に 西彼・長与の障害者施設「アトリエらぽ」 長崎・銀屋の「尾曲がり猫神社」

尻尾が曲がった猫の図柄入りのポーチと財布=西彼長与町高田郷

 西彼長与町の障害者の就労継続支援B型事業所「アトリエらぽ」が、長崎市銀屋町の「尾曲がり猫神社」と連携し、得意のステンドグラス工芸や布小物の技術を生かし、猫関連のグッズ制作に取り組んでいる。事業所と神社が話し合いながら製品を作り上げ、完成した分はすべて神社が買い取るため、事業所の利用者の工賃安定につながるという。
 通常は、利用者が作った小物を雑貨店などに置いてもらい、売れた分から販売委託料を差し引いた額が事業所に入る。事業所側にとっては、店側の負担がないため小物を置いてもらいやすいが、売れないと利用者の工賃に反映されない。
 同神社は、長崎ネコ学会が運営する、長崎に多い尾曲がり猫の情報発信拠点で、猫関連グッズも販売。学会副会長の井上亜矢さんが今年4月の神社オープンを前に、長崎らしいステンドグラス工芸を手掛けていたらぽの管理者竹山清美さんにグッズ制作を持ち掛けた。両者で製品の形や色などを話し合い、猫形のステンドグラス、尻尾が曲がった猫の図柄入りのポーチと財布を商品化した。
 現在、らぽには精神、知的、身体の障害者計23人が登録し、小物づくり、菓子袋詰め、洗車などの作業に取り組んでいる。猫関連グッズは5、6人が担当。井上さんは「少量を発注し事業所のペースで生産してもらっている。地域の小さなお店がオリジナル商品を作りたいときのモデルケースにもなり、商業と福祉の連携につながる」と言う。
 竹山さんは「利用者の皆さんが自分たちが作ったものがどこでどんな人を対象に販売されるか分かっており、製品作りへの思い入れも変わってくる」と話している。

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