諏訪にきらめけ! くんち新世代・3 玉園町・獅子踊 細田達巳さん 「子」が成長 大技に挑む

稽古に汗を流す細田さん=長与町吉無田郷

 玉園町の前身、上筑後町は戦前まで長与の獅子踊を奉納していた。現在は西彼長与町の吉無田獅子舞保存会に依頼。2頭の獅子が七色の毛をなびかせ、ダイナミックに踊る。
 長与町吉無田郷の細田達巳さん(18)は県立長崎明誠高の3年生。小中学生が務める「子獅子」として出演した7年前に続き、今回は獅子に挑んでいる。
 獅子は1頭を2人一組で演じる。1人が頭と前脚、もう1人が胴と後脚を受け持つ。高さ約3メートルの位置にあるボタンの花まで大きく伸び上がって蜜を吸う「花しぶり」や、前に回転する「牡丹(ぼたん)がえり」といった大技が見どころだ。
 前回は子獅子としては初めて「花しぶり」に挑み成功した。その時から「かっこいい。やってみたい」と獅子にあこがれていた。
 時は巡り、高校3年生に。今回も出演するかどうか聞かれた時、進路のことが気がかりで迷った。だが、7年前の楽しかった思い出がよみがえり、令和で初めてのくんちに「挑戦したい」と心に決めた。
 6月から保存会の会長宅に通い、週3日の稽古を積んできた。9月以降はほぼ毎日、長い時は3時間の稽古に打ち込む。7年前は胴だったが、今回は頭。動きが全く異なり、最初は戸惑った。だが、パートナーと話し合いながら動きを工夫し「牡丹がえり」も習得した。
 「誰よりも大きい演技を見せたい」。162センチの小柄な体を躍動させ、成長した姿を披露する。

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