「神話の島」の魅力 サブカルで 漫画・アート展「カミテン」11日から壱岐で

「カミテン」のチラシ

 日本最古の歴史書「古事記」と、同書の国生み神話で神が5番目につくった島として登場する壱岐をテーマに昨年9月創刊された長崎県壱岐市限定の漫画カルチャー誌「COZIKI」(ライスプレス出版、税抜き1200円)。これにちなんだイベント「神話の島の漫画・アート展『カミテン』」(実行委主催)が11~14日、同市で開かれる。第一線の漫画家らの原画展やトークショー、人気俳優の写真展、音楽ライブなどサブカルチャー満載の内容だ。]

 「カミテン」は開催期間中、市内の飲食店や宿泊施設、神社など10カ所ほどを会場に、食のイベントを含め各種催しを予定。「水曜日のカンパネラ」の音楽ユニット「YAKUSHIMA TREASURE」のライブもある。作品提供を含め、総勢30組近いアーティストが参加する、本県では珍しいイベントだ。
 同誌は、島の活性化を目指し企画会社キリンジ(東京)とライスプレス出版(同)が昨年始動させた「COZIKIプロジェクト」の一環で、市などと連携し年2回発行。島内でしか入手できない「特産品」を目指し、基本的に島内だけで販売している。9月に3号を発刊。これまでにイラストレーター天野喜孝さん、「GTO」で知られる漫画家藤沢とおるさんらの壱岐にちなんだ作品を掲載し、俳優の小松菜奈さん、森山未來さんらを壱岐で撮影した写真が表紙などを飾った。
 同プロジェクトのプロデューサーでキリンジの鈴木智彦さん(43)によると、2017年に旅行で訪れた際、「神が宿る島」ともいわれる壱岐の魅力を実感。漫画を通して古事記とともに伝えようと同誌発行を企画し、著名な作家らを壱岐に連れてきたり作品を制作してもらったりして掲載を実現してきた。
 市観光課の中村勇貴さん(32)は「『COZIKI』は発刊を重ねるごとに認知度も高まっている。カミテンをきっかけにアーティストのファンらが来島し、リピーターになってほしい」と期待を込める。鈴木さんは「島の人に感謝するとともに、新しい交流の機会にしたい。島外の人には壱岐の魅力を知ってもらえれば」と話す。
 「カミテン」の鑑賞パスポート(4日間)は税込み一般2千円、小学生以下無料(一部イベントは別に料金が必要)。壱岐市民は地場産品を持参するとパスポートと交換できる。
 「カミテン」の詳細は公式サイト( https://kamiten.coziki.jp/ )。

© 株式会社長崎新聞社