国際署名30万筆突破を報告 ヒバクシャ「県民の会」3周年集い

平和な世界の実現を訴える下平さん=長崎市、長崎被災協地下講堂

 核兵器禁止条約の締結と核兵器廃絶を求める「ヒバクシャ国際署名」に取り組む「県民の会」(朝長万左男、田中重光共同代表)の結成3周年の集いが28日、長崎市内であり、これまでに集めた署名数が30万筆を突破したと報告した。
 署名は日本原水爆被害者団体協議会(被団協)が提唱。2020年までに数億筆を集めて国連に届けることを目指す。県民の会は16年9月に結成。50万筆を目標に活動している。
 集いには被爆者ら約100人が出席。長崎原爆遺族会顧問の下平作江さん(84)が同会関係者と対談した。下平さんは、被爆後に病に苦しんで自殺した妹に触れ「人間らしく生きることも死ぬこともできないのが戦争。こういうことは私たちで十分だ」と述べ、平和な世界の実現を願った。
 田中共同代表は世界の核軍縮の動きが停滞しているとして「緊急アピール」を発表。「新たな核軍縮にとって、これから数年が死活的に重要な時期だ」と強調し「ともに核なき世界を目指し新たな歩みを開始しよう」と呼び掛けた。

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