「REPORT SASEBO」 資源・人材発掘プロジェクト始動 周辺地域と連携、価値を形に

今後の活動について話し合う一般社団法人「REPORT SASEBO」のメンバー=佐世保市内

 佐世保市出身者らでつくる一般社団法人「REPORT SASEBO」が、佐世保と周辺地域の資源や人材の発掘などを通して、地域の活性化を図るプロジェクトを始動させた。代表理事で市職員の中尾大樹さん(35)は「他の地域から『価値の逆輸入』をしながら、この町を面白がる仲間を増やしたい」と話す。

 法人の前身は、2008~13年に活動した中尾さんら市職員でつくる自主研究グループ。「港(ポート)町らしさを取り戻す」「魅力をリポートする」という思いで、佐世保のデザインを研究したり、他都市からゲストを招いたりして、可能性を探った。
 中尾さんはこうした経験を通し、場所づくりの必要性を実感。15年に妻と万津町にカフェ「RE PORT」をつくり、まちづくりに関わってきた。
 「『地元らしさ』を再発見する一方、周辺地域のハブ的な役割を持つ『都市らしさ』も認識できる活動にも力を入れたい」。そう考えた中尾さんは、これまでの活動を統合。共感した市出身者や在住のデザイナー、市職員など5人とともに7月、一般社団法人を設立した。
 「RE PORT」を拠点に異文化交流のイベントを開くことに加え、新たな土産や宿泊施設づくりのプロジェクトを進める。こうした市内と市外の人を混ぜる取り組みや周辺地域との連携を通じ、佐世保の価値を形にしていく計画だ。
 一般社団法人化して初めてのイベントは、7月中旬に「RE PORT」で開かれた。スパイスを販売している会社「アナン」(鎌倉市)のメタ・バラッツさんが、インド南部と東部のカレーのレシピや歴史について参加者に説明。市内の会社員、田崎花恵さん(32)は「市内外の人が集まって交流できるのは楽しい。こんなイベントが増えてほしい」とほほえんだ。
 メンバーの不動産コンサルティング、大丸勇気さん(43)=大阪市在住=は「魅力を掘り起こし、もっと佐世保を楽しみたい」と話した。

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