防災考えるきっかけに 島原・杉谷の子どもクラブ

消防団員と意見交換する子どもたち=島原市、杉谷公民館

 地域の交流促進や環境美化などに取り組む長崎県島原市杉谷地区の子どもクラブ「Soy(そい)ぎぃ」(加納文代表)は15日、宇土町の杉谷公民館で防災イベントを開いた。参加した子どもたちが地元消防団の訓練を見学し消火用具の使い方を学んだほか、放水体験や団員との交流会などを通し防災意識を高めた。
 同クラブは子どもの力で地域を元気にしようと、2014年に発足。防災に関するイベントは初めてで、小学1~6年の約30人やその保護者らが参加し、市消防団の54人が指導した。杉谷地区は雲仙・普賢岳噴火災害時、火砕流や土石流で甚大な被害を受けている。
 会場では、団員が屋外に設置している消防器具の格納箱を開け、消火ホースや、先端に付ける筒先など4種の使用法を説明。ホースを実際に伸ばし、参加者は団員とともにホースを握り、放水を体験した。
 交流会では六つのグループに分かれ、集中豪雨や台風、川の氾濫時の対処などについて団員と意見交換。「雨がひどくなる前に、公民館や体育館など避難所に行く」「夜は家の2階で待機する」などと考えを出し合った。
 放水体験をした市立第四小5年の林田瑞樹君(11)は「ホースは重くて水圧がすごかった。イベントへの参加は防災を考える良い機会になったので、学んだことを役立てたい」と話した。

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