猫用の避難小屋を設けた大工

 作業小屋の小さな穴。実はこれ、対馬市厳原町の大工、阿比留嘉輝さん(61)が自身の小屋を愛猫の“避難場所”にするため、ノコギリで開けた出入り口だ。
 2008年、生まれて間もない子猫を町内で保護し、「みゅー」と名付けた阿比留さん。夜になると布団に潜り込んでくるほどなついていたという。だが、今年7月に親族から譲り受けた子猫がやんちゃで、神経質なみゅーは自宅に寄りつかなくなった。
 雨露にぬれる愛猫がかわいそうになった阿比留さんは大工作業に使っている小屋の壁をくり抜き、中にみゅー愛用のマットを敷いた。居心地良さそうなみゅーに阿比留さんはホッとしながらも、「冬までには布団に戻ってきて」と複雑な心境だ。

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