戦争ない世界願い千羽鶴 鳥栖の小中学生 対馬を訪問、交流

千羽鶴を折る「鳥栖やまびこ研修団」の団員たち=対馬市立大船越小

 佐賀県鳥栖市の小中学生らでつくる「鳥栖やまびこ研修団」(下田寛団長)の29人が9日、長崎県対馬市内の小中学校の平和集会に参加した。対馬市美津島町の市立大船越小(末永道弘校長、65人)では、子どもたちが千羽鶴作りを通して交流し、平和を守るために自分ができることを考えた。
 小学生の団員28人は、太平洋戦争末期に鳥栖国民学校(現・鳥栖小)を2人の特攻隊員が訪れ、出撃前にベートーベンの「月光」を弾いたと伝わるピアノが鳥栖市内に残っていることを発表。大船越小児童とともに原爆の被害について学び、同校児童が修学旅行で長崎市の平和公園にささげる千羽鶴を一緒に作った。
 団員の内村太一君(11)は「みんながけんかせず、戦争にならないようにと思って鶴を折った」。大船越小6年の山田祐志君(12)は「(鳥栖の)特攻隊の人のことは知らず、勉強になった。戦争を防ぐためには昔のことを知ることが大切だと思った」と話した。
 中学生の団員1人は、大船越中の集会に参加した。
 研修団は、鳥栖市の一部が対馬藩飛び地の「田代領」だった縁で1991年から対馬と交流し9回目。今回は8日から2泊3日で訪れている。

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