核使用新指針 撤回を 長崎県内被爆者5団体 米に抗議声明

トランプ米大統領宛ての抗議声明を発表する被爆者5団体の代表ら=長崎市役所

 米軍が6月に戦闘中の限定的な核兵器使用を想定した新指針をまとめていたことを受け、長崎の被爆者5団体は30日、新指針の撤回を求める抗議声明を発表した。声明は米国のトランプ大統領宛てで、在日米大使館に送った。
 新指針は「米核戦力は力による平和という米国の国家目標に資する」としており、声明は「戦闘ムードで恐怖すら感じる」と批判。「限定使用とはいえ、核の役割が増大することは間違いない」と指摘し、新指針のほか、トランプ氏が昨年発表した核戦略指針「核体制の見直し(NPR)」の撤回を求めた。
 県被爆者手帳友の会を除く4団体の代表らは長崎市役所で記者会見した。県平和運動センター被爆連の川野浩一議長は「一般の戦場で核兵器が使われる恐れが出てきた。歯止めがきかなくなっており、断固反対しなければならない」と言葉に怒りをにじませた。

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