被爆者3人の体験 高校生がイラスト化 長崎工業高・美術部

被爆者3人の被爆体験をイラストに描いた長崎工業高の美術部の生徒たち=長崎市役所

 県立長崎工業高の美術部が、3人の被爆者の体験を描いた14枚のイラストを制作した。長崎市が被爆者の体験を継承し、伝える「証言者」を支援する「語り継ぐ被爆体験(家族・交流証言)推進事業」の一環。イラストは証言者の講話などの際に提示するなどして活用する。
 イラストは、深堀讓治さん(88)=長崎市橋口町=と山脇佳朗さん(85)=同市晴海台町=が5枚ずつ。大庭義弘さん(79)=諫早市永昌町=が4枚。原爆がさく裂した瞬間や、水を求めて川を漂う被爆者などの姿を、3人の証言を基にオイルパステルや絵の具で表現している。同校によると、イラスト制作は昨年11月から今年4月まで。今春卒業した生徒6人を含む14人が携わった。
 美術部員8人は23日、被爆者3人と共に市役所を訪れ、田上富久市長に完成を報告。部長で3年の渡辺めぐみさん(18)は「少しでも多くの人に戦争の恐ろしさや命の大切さを知るきっかけになってほしい」と語った。山脇さんは「苦労して描いてくれた。家族・交流証言をする皆さんに有効活用してほしい」と述べた。
 イラストは29日から8月5日まで、同市平野町の長崎原爆資料館円形パビリオンで展示される。入場無料。問い合わせは長崎平和推進協会(電095.844.9922)。

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