時代見つめる不思議な“郵便ポスト”

 長崎市役所近くの薬局の店先に「くすり」と書かれた“郵便ポスト”が置かれ、その上の木箱の中に複数の石が無造作に飾られている。何とも、気になるたたずまいだが…。
 薬局の女性オーナーに聞くと、“ポスト”は約40年前に特注で作ったポスト風の郵便受けで、今もたまに間違ってはがきを投入する人がいるらしい。木箱の中は、数年前まで植物も一緒に飾っていたが枯れてしまい、石だけになった。
 さらに昔は木箱の位置に公衆電話があったとのこと。「利用者は多かったけど携帯電話が普及して使われなくなって。懐かしいわ」。昭和、平成と街を見つめてきた“ポスト”の歴史をあらためて振り返り、しみじみ。

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