「違いを認めて」平和な世界へ 被爆講話、朗読で訴え 神奈川の女子大生にインターネット講義 被爆者・清野さん、「永遠の会」白鳥さん

ピースネットで被爆体験を伝えた清野さん(中央)と、清野さんの姉の日記を朗読した白鳥さん(右)=国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館

 長崎市平野町の国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館で22日、インターネット会議システムを通して国内外に被爆体験を発信する「ピースネット」があった。入市被爆者の清野定廣さん(82)=大村市福重町=と被爆体験記朗読ボランティア「被爆体験を語り継ぐ 永遠の会」の白鳥純子さん(70)=長崎市平野町=の2人が、相模女子大(神奈川県)の学生35人に原爆の恐ろしさを訴えた。
 ピースネットは2004年から始まり、通算362回目。被爆者と朗読ボランティアのコラボレーションは初という。
 清野さんは長崎原爆の投下当時8歳で、疎開先の旧深堀村にいた。3日後、救援列車に乗り佐賀県へ疎開するため道ノ尾駅に向かう途中、爆心地に入った。駅までの道中で見た原爆で傷ついた人々の様子や、当時20歳だった姉が原爆症を発症し、1カ月後に亡くなったことなどを自身が描いた絵を使って伝えた。
 白鳥さんは、清野さんの姉が原爆投下から8月17日までの間に残した日記を朗読。好きな男性を思う心情などを、力強く表現した。
 質疑応答で大学側の教員から若者へのメッセージを求められた清野さんは「これからの日本を担うのは皆さん。言語、宗教、人種といったお互いの違いを認め合い、核兵器や戦争のない世界をつくってほしい」と呼び掛けた。

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