「体験 若い人が伝えて」 入市被爆の橋さん訴え 諫早で「原爆・継承コンサート」

原爆投下後の長崎で見た光景を語る橋さん=諫早市、本町アーケード

 核兵器も戦争もない世界を願う「第5回原爆・継承コンサート」(長崎被災協・被爆二世の会・諫早主催)が21日、諫早市本町の本町アーケードで開かれた。被爆者の証言や会員の紙芝居、大学生らの演奏を通し、平和な世の中に生きる大切さをかみしめた。
 コンサートは市民と共に身近でできる平和活動を目指し、同会が2015年から毎年開いている。
 13歳の時に入市被爆した長崎被災協理事で大村支部長の橋貞夫さん(87)=大村市久原1丁目=が体験を語った。当時暮らしていた旧西彼三重村そばの島で稲光を感じ、ドーンという大きな音を聞いた。その後、親類を捜すために道ノ尾から住吉、浦上を経て水ノ浦まで父親と歩いた。
 「長崎工業学校(当時)付近で鉄の船が曲がりくねっていた。浦上は煙が立ち上り、見る影もなかった」と振り返った。「悲惨な核兵器の被害を二度と起こさないように若い人が体験を伝えてほしい」と訴えた。
 初参加した長崎ウエスレヤン大ジャズアンサンブルなど2団体は軽快な演奏や歌声を披露。同大2年の南彩乃さん(19)は「平和をテーマに選曲した。多くの人が聞いてくれ、手応えを感じた」と話した。

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