外国人ニーズに応え 和食料理教室「銀頂」オープン 長崎県産食材使用、プロ志望も受け入れ

かっぱ巻きに挑戦する香港の高校生=長崎市、銀頂

 外国人の観光客や料理人向けの和食料理教室「銀頂(GINCHO)」が今月、長崎市新地町にオープンした。和食は2013年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録され、世界的に関心が高まっている。料理人の眞崎洋文代表は「体験型観光のニーズに応え、和食の魅力を発信したい」と意気込む。
 県内で留学生の受け入れ事業などを展開する一般社団法人「シルバーピークジャパン」(森伊作代表理事)と、県内外の日本料理店で経験を積んだ眞崎さんが協力して教室を開設した。観光客のほか、日本食を学びたい海外の料理人も受け入れる。同法人によると、こうした外国人向けの和食教室は県内初という。
 オープン初日の2日は、修学旅行で来崎中の香港の高校生がすし作りに挑戦。ずらりと並んだ包丁の説明を聞き、すし作りの実演を興味深げに見詰めた。眞崎さんは、シャリの握り方や巻きすの使い方などのこつを丁寧に教え、「大事なのは大切な人を思い浮かべながら作ること」と心構えも伝授した。
 生徒たちはイカやタイなどのにぎりずしと巻きずしが完成すると笑顔で記念撮影した。すしが大好きというジュウ・ティンティンさん(17)は「自分で作ることができてうれしい。香港でも家族に作ってみたい」と満足げ。長崎市在住の観光ガイド、坂口メイさん(55)=北京出身=は「長年ガイドをしているが、このようなプログラムは初めて。たくさんの人に勧めたい」と話した。
 米や魚介類、野菜など、可能な限り県産食材を使用している。ベジタリアン(菜食主義者)にも対応可能。「日本食に興味を持ってもらい、また長崎に来てほしい」と眞崎さん。教室は3日前までに予約が必要。詳細は銀頂ホームページ(https://gincho-washoku.net)。

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