<参院選長崎選挙区 候補者はこんな人>国民・新 白川鮎美さん(39) 女性に活躍の機会提供

 4日公示された参院選長崎選挙区には現職、新人計3人が立候補を届け出た。国政への思いや座右の銘、趣味など、候補者の素顔に迫った。

 39歳、政治初挑戦。「市議や県議ではなく、なぜいきなり国政なのか」との質問に笑顔で答えた。「普通に働く女性の私が国政に出ることで、政治のイメージが少しでも変わればなあと思って」
 佐世保市出身。父親は消防士、母親はパート勤務という「普通の家庭」で育った。佐世保工業高等専門学校卒業時は就職氷河期。何とかIT業界に就職したものの、働きながら結婚することの難しさを目の当たりにし、数年で退職した。
 あこがれの美容業界に転職し、福岡でネイル講師をしていたある日。女性の美の祭典「ミス・ユニバース・ジャパン」の長崎大会を開くという話が勤め先に舞い込んだ。「地元で旗振り役をしたい」。大会実行委員長に名乗り出て、2年連続で日本代表を送り出した。こうした経験の中で、座右の銘になった言葉がある。「可能性は無限大」
 女性に活躍の機会を提供しようと起業し、現在は人材育成会社の代表。雇われる者の立場も、中小企業の経営の厳しさも知っている。だからこそ、女性や働く人の目線で国政に取り組みたい。性格は行動的かつマイペース。「女性が政治に挑戦するのは大変」と言われる中、活動を支えてくれる家族に感謝している。
 最初は演説にも慣れなかったが、次第に自分の言葉で表現できるようになった。最近は演説中に気持ちが高ぶって涙が込み上げることもあるが、心に決めている。「泣きません。当選するまでは」

◎公約

 ①男女差別、障害者差別、人種差別をなくし、全ての人の人権が尊重され、多様な価値観と生き方を認め合い共に生きていく世界を目指す②東京一極集中の経済、人口流出を防ぐため、長崎の歴史、文化、地域特性を生かし、世界に通じる魅力と活力ある地方をつくる③唯一の被爆国として私たちが追求してきた平和主義を守り抜き、戦争の惨禍を繰り返すことなく非核化と世界平和をけん引する

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