佐世保空襲死没者を追悼 「戦争は絶対にしてはいけない」

犠牲者に思いをはせながら献花する参列者=佐世保市、佐世保市民文化ホール

 1200人以上が犠牲になった佐世保空襲の死没者追悼式が29日、佐世保市平瀬町の佐世保市民文化ホールであり、市民ら約110人が犠牲者に哀悼の意を表した。
 参列者は午前10時にサイレンに合わせて黙とう。朝長則男市長は「空襲で犠牲になった人や苦難の時代を必死に生き抜いてきた遺族が、平和で安定した社会の礎になっていることを決して忘れない」と述べた。
 献花の後、市立祇園小6年の友永絢音さん(11)、毛利実沙紀さん(11)、鶴崎利菜さん(11)が千羽鶴を贈呈。同祇園中2年の佐藤海香さん(13)は「数千の焼夷(しょうい)弾で命と夢を奪われた子どもたちの悔しさと悲しさは消えない。私たちが戦争の体験を伝えていき、平和な時間が世界共通になるようにしたい」と平和への思いを語った。
 空襲を体験した遺族が参列し、父親と姉一家を亡くした山領節子さん(90)=天神町=は「空襲のことだけは絶対に頭から離れない。戦争は絶対にしてはいけない。若い世代には日本の将来のために頑張ってほしい」と話した。
 佐世保空襲は1945年6月28日から29日にかけて発生。米軍機が約千トンの焼夷弾を投下し、約6万人が被災した。

© 株式会社長崎新聞社