被爆語り部の生涯 紙芝居で上演 桜馬場中3年生が諏訪小5年生に

吉田勝二さんの被爆体験を基にした紙芝居を披露する桜馬場中の生徒=長崎市立諏訪小

 長崎市立桜馬場中(萱島満司校長)3年生35人が28日、市立諏訪小の5年生に、被爆語り部だった吉田勝二さん(2010年死去)の体験を基に作った紙芝居と長野県上田市にある無言館の窪島誠一郎館主が書いた「わたしたちの『無言館』」の朗読を披露した。

 桜馬場中の平和学習の一環。紙芝居は2007年に当時の生徒会が中心となって戦争の悲惨さ、平和の大切さを語り継ごうと制作した。以来、毎年近隣の小学校に読み語りをしている。

 生徒は紙芝居班と朗読班に分かれて諏訪小5年生の2クラスに披露した。紙芝居では被爆し顔に大やけどを負い、周囲の偏見に苦しみながらも語り部として活動し続けた吉田さんの生涯を紹介。朗読班は、戦争で犠牲になった画学生が描いた「祖母なつ」や「家族」などの作品がテレビ画面に映し出されるのに合わせて、詩を読んだ。

 発表後は核兵器や平和について意見交換。諏訪小5年の浜田隼市(はやと)君(10)は「(吉田さんの経験は)かわいそうだと思い、心が痛んだ。原爆を作っている国がまだあるのは残念」と感想を述べた。桜馬場中3年の野方菜々海さん(15)は「核兵器の廃絶や平和の大切さを訴え続けないといけない」と話した。

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