“書評合戦”開催をサポート 裾野拡大へ2図書館 書籍紹介、ワークショップ提供

発表者が好きな本の魅力について語るビブリオバトル=佐世保市新港町、させぼ五番街(2017年9月、市立図書館提供)

 会社やカフェで“書評合戦”しませんか-。佐世保市立図書館(宮地町)と長崎国際大図書館(ハウステンボス町)は、お薦めの本を紹介し、聴衆が最も読みたい1冊を投票で選ぶ「ビブリオバトル」を企画する個人や団体のサポートを本格的に始める。ビブリオバトルを楽しむためのノウハウを伝え、参加者の裾野を広げる狙い。佐世保市立図書館の田中裕子司書は「人と人をつなげる面白さがある。魅力に触れる人を増やしたい」とする。

 ビブリオバトルは2007年に国内の大学の研究室で誕生。発表者は自らが面白いと感じる本について5分で紹介。参加者は発表者との質疑応答後、最も読みたくなった本を選んで投票し、「チャンプ本」を決める。

 佐世保市立図書館は、図書館ならではの取り組みとして2016年5月に初めて開いた。すでに取り組んでいた長崎国際大の協力を得て、職員が進行の練習を繰り返し開催にこぎ着けた。「5分間で発表者の人柄がにじみ出る。聞く側につまらないと思わせない仕組みも面白かった」と田中司書。回数を重ねるにつれ認知度は上がり、学校や企業から相談を受けたり、市民から開催予定の問い合わせが寄せられたりし始めた。

 サポートでは、ビブリオバトルの経験がない場合、ルールや必要な備品といった情報をまとめた公式サイトと書籍を紹介。開催が決まれば、ルールの説明と実際に体験するワークショップを提供できる。大事にするのはルールや心構えを理解し、自分の手で進行できるようになってもらうこと。読書推進や研修といった目的の前に、本来の楽しみを味わってほしいからだ。

 長崎国際大図書館の河野睦美司書は「友人とでも開けるゲームだと知ってもらいたい」。田中司書は「市立図書館ではできないような面白いバトルが実現するための一助になりたい」と話す。問い合わせは市立図書館(電0956.22.5618)、長崎国際大図書館(電0956.20.5560)。

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