原爆の悲惨さ群読劇で 子ども平和のつどい 長崎・小学生ら100人参加

群読劇を披露する子どもたち=長崎市、銭座小体育館

 学校の枠を超えて子どもたちが平和について考える「第33回子ども平和のつどい」(実行委主催)が15日、長崎市銭座町の銭座小体育館であり、群読劇や合唱を通じて戦争の恐ろしさを学んだ。

 つどいは平和について楽しく学ぶ場をつくろうと、教職員や保護者ら有志が1987年から毎年開催。この日は小学生ら約100人が参加した。

 同市と西彼長与町の小中学生や実行委メンバーら約30人が、被爆医師の故永井隆博士が編さんした被爆児童の手記集「原子雲の下に生きて」を基にした群読劇を披露。手の皮が焼けてケロイドを負った少年や、のどが渇いて油の浮いた水を飲んだ少女らの体験談を、感情を込めて暗唱した。

 群読劇に参加した同市立鳴見台小6年の柴田くるみさん(12)は「(被爆児童は)自分たちにとって当たり前のこともすることができず、かわいそうだと思った。緊張したが平和の大切さを伝えられたと思う」と話した。

 参加者は平和を願う歌「青い空は」を手話を交えて合唱。参加者同士が仲良くなるためのレクリエーションなどもあった。同小3年の柏木優さん(8)は「原爆はダメだと思った。(つどいは)みんなで仲良くできて楽しかった」と感想を語った。

 実行委員で長崎市西海町の小学校教諭、西川操さん(56)は「平和教育は授業でまじめにやる印象があるが、イベント自体を好きになって、平和についても考えてもらえればと思う」と述べた。

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