耐性菌に10人院内感染 長崎医療センター 患者受け入れ制限

 国立病院機構長崎医療センター(長崎県大村市久原2丁目)は15日、高度救命救急センターの入院患者10人が「2剤耐性アシネトバクター」に院内感染したと発表した。うち1人は発症したが命に別条はないという。

 病院は13日から、高度救命救急センター28床のうち24床を閉鎖し、患者の受け入れを制限している。制限の解除時期は未定。

 病院によると、昨年12月17日に救急センターの入院患者1人から菌を検出。今年3月から5月にかけて、入院患者9人から菌が見つかった。うち1人は死亡したが、病院は「死因と感染症との関連は低いと考えている」としている。

 感染した患者は同じ個室を利用し、いずれも気管挿管、人工呼吸器管理、口腔(こうくう)ケアなどの措置をしていた。最初の患者は海外で治療を受けた後に入院しており、病院は「菌は海外から持ち込まれた可能性が高い」とみている。

 江崎宏典院長は「感染経路の特定や除菌など終息に向けて全力で取り組み、再発防止に努める」とコメントした。

 2剤耐性アシネトバクターは2種類の抗菌薬が効かず、抵抗力の弱い患者は重い感染症を引き起こすことがある。

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