島原鉄道111周年車両にフォーカス 記念誌刊行

島原鉄道が創立111周年を記念して刊行した「島原鉄道111年物語」

 1908年5月5日の創立から来月で111年を迎える島原鉄道(長崎県島原市)は、同社の歴史をまとめた記念誌「島原鉄道111年物語」を販売している。これまでに活躍した鉄道車両などを中心に同社の歩みを振り返っている。
 会社再生に取り組む同社が“新生島鉄”の記念誌として出版。過去の懐かしの車両などにもスポットを当てている。植木元太郎初代社長の奮闘ぶりや日本初の鉄道、新橋-横浜間を走った「1号機関車」導入の経緯など草創期から紹介。雲仙・普賢岳噴火災害からの復旧の様子などもつづられている。
 執筆は、交通系雑誌を出版している「イカロス出版」(東京)の上野弘介副編集長(40)に依頼。関係者らへの取材を続け、約3年がかりで完成にこぎ着けた。上野副編集長は94年ごろから島鉄の研究・撮影を続けており、記念誌には自身が所有する65枚の写真を含む149枚を掲載。蒸気機関車(SL)やディーゼル機関車など島鉄が保有した計33種類の車両も紹介している。上野副編集長は「島鉄は島原半島の発展に寄与してきた。苦難を乗り越えてきた111年の歴史を知ってほしい」と話す。
 B5判、82ページ。1200円。3千部発行。島鉄の有人駅やバス営業所、インターネットのオンラインショップ「しまてつショップ」などで販売している。問い合わせは同社(電0957.62.2231)。

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