新たな車載機器の製造に力入れる 九州テン 23年度 売上高300億円目指す

自動車産業の品質に関する国際規格を取得した九州テン佐世保工場=佐世保市小佐々町

 無線通信機器製造の九州テン(本社福岡市、本店佐世保市)は、主力のドライブレコーダーに加え、新たな車載関連機器の製造に力を入れる。9月にも佐世保工場(小佐々町)に、試作の製造ラインを設置。量産化を図り、2018年度に約180億円だった車載関連機器の売上高を、23年度に300億円まで伸ばす目標を掲げる。

 製造は、ECU(エレクトロニックコントロールユニット)を想定している。車のさまざまな機能を制御する機器。電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)、自動運転の導入など、車が電動化、高機能化する中で、市場が広がる可能性がある。現在、関連会社のデンソーテン(神戸市)と協議を進めている。

 これに先駆け、佐世保工場は自動車産業に特化した、品質に関する国際規格を取得。世界の自動車メーカーが調達基準として採用するなど、重要性が高まっている。取得に伴い品質の向上が期待されている。

 九州テンは、14年からドライブレコーダーの製造に力を入れ始めた。近年は「あおり運転」への対策など、普及が進み好調を維持している。しかし、間嶋力彦社長は「今がピーク」とみる。ドライブレコーダーに代わる新たな「柱」を模索していた。

 車載関連機器には開発段階から携わる方針。拠点とする佐世保工場では、国際規格取得だけでなく、さらなるクリーン化など改革も進める。間嶋社長は「今、手を打たなければ、成長し続けることはできない。新たな分野にチャレンジしたい」と語った。

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